この記事は2018年07月20日に投稿しました。
目次
現場のためのSwift4 Swift4.1+Xcode9.3対応
- 作者: 澤田孝志,今村哲也,染谷昌利
- 出版社/メーカー: 秀和システム
- 発売日: 2018/05/23
- メディア: 単行本
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1. はじめに
こんにちは、iOSのエディタアプリPWEditorの開発者の二俣です。
前回の投稿
paveway.hatenablog.com
から時間が空いてしまいました。
すみません。
続きを書こう書こうと、頭の片隅では思っていました。
しかし技術情報の記事を書くことを優先してしまい、ついつい後回しにしてしまいました。
時間がかかりましたが、ようやく記事にまとまりました。
ではさっそく続きです。
2. ダウンロード数が増えた!
前回も書きましたが、やる気のなかったPWEditorですが、ある時ふとAppleの開発者サイトで状況を確認する気になりました。
するとPWEditorのダウンロード数が増えていることに気が付きました。
またユーザによるレビューをいくつか書き込まれていました。
なぜダウンロード数が増えたか原因はわかりませんが、
時間が経つにつれ、
「ようやく自分の作ったアプリが人に認められた」
という思いになりました。
すると、
「もっと機能アップしよう」
「不具合があれば改修しよう」
うれしくなり、がぜんやる気が出てきました。
しかし問題がありました。
3. Swift3.0のわな
早速開発を再開しようとしましたが、タイミングが悪くSwiftが2.3から3.0へバージョンアップされた時期でした。
それまでもSwiftのマイナーバージョンされたことは何度かありました。
そのたびコードの修正を、手動でおこなってきました。
ところが今回はかなり変更が入ったらしく、開発環境のXcodeにコンバート機能が追加されていました。
「コンバータでコンバートすればすぐに修正されるだろう」
そう思って、早速このコンバータを使いPWEditorをコンバートしました。
...
うまくコンバートされません。
コンバートしてビルドしてもビルドエラーとなり、ビルドできなくなりました。
それどころソースのインデントずれや無駄な空白行が追加されたりしました。
コードのフォーマットも破壊されてしまいました。
2, 3日試行錯誤しましたが、
「コンバータだけでコンバートはできない」
という結論に達しました。
コンバータだけのコンバートはあきらめました。
そこで一旦コンバータでコンバートした後、
- ビルドエラーの個所
- フォーマットくずれ
を手動で修正することにしました。
ただその当時でもPWEditorはかなりのステップ数になっていました。
作業量を想像して目の前が真っ暗になりました。
しかしやらないわけにはいけません。
覚悟を決めて修正作業に入りました。
来る日も来る日も
「ビルド」
「ビルドエラー」
「ビルドエラーの修正」
をひたすら繰り返していました。
そのうえソースのフォーマットも直す羽目になり、なんとも楽しくない毎日でした。
結局、1ヶ月半くらいかかりコンバートが終わりました。
4. ユーザとのやり取り
ダウンロード数が増えたことに伴い、Appleのサイトにレビューを書いてくださるユーザも増えました。
実はダウンロード数が増えたことより、ユーザのレビューの方が嬉しかったりします。
もちろんいいことを書いてくださるユーザも多いのですが、厳しい意見のユーザもいます。
ただユーザからの声があるとユーザのいろいろな要望がわかり、開発するうえで大変参考になります。
しかし残念なことにAppleのレビューは一方通行です。
ユーザからの声は聞こえますが、こちらから返事できません。
(※現在は、開発者側からも変身できるようになりました)
そこでアプリ内にメールで連絡できる機能を付けました。
するとメールでもたくさんの要望、意見、不具合報告がくるようになりました。
なかには何度も不具合報告や要望を伝えてくれるヘビーユーザもいます。
それはうれしくもあり、また開発するうえで大変助かりました。
また初期のアプリのデザインはお世辞にもあまりよくありませんでした。
(今も改善の余地はあるとは思いますが...)
みかねたユーザの一人が、デザイン案をだしてくださり、アイコンも提供してくださいました。
今でも大変感謝しております、ありがとうございます。
こういったユーザとのやり取りが生まれた結果、
このアプリを作って一番良かったことは、アプリを通じてユーザとのつながりができたこと
と思うようになりました。
この思いは今後も大事にしていきたいです。
またユーザとのやりとりでわかったことですが、このアプリはプログラマ向けに作りましたが、それ以外に小説を書く人にも結構使われていることがわかりました。
これは想定外でした。
5. そしてまたもや停滞期
2017年7月に仕事の作業場が変わりました。
それまで始発で仕事場近くのマックに行って始業までPWEditorの開発をしていたのですが、それができなくなりました。
今度の作業場は郊外にあるため、作業場近くに朝早くからやっているお店がありませんでした。
なので仕事おわってから自宅でやることも考えました。
しかし家族がいる中で自分だけ開発に集中する時間を確保するのは難しく、これも断念しました。
今度は不本意ですがPWEditorの開発から、またもや遠ざかってしまいました。
6. 再々スタート
1年近く自作アプリの開発をしていなかった2018年の春ごろのことです。
だんだんとPWEditorの開発をしたい気持ちが沸いてきました。
仕事の状況は変わっていないのですが、
「細切れの時間でもいいから開発する時間を確保しよう」
と考えました。
例えば機能追加する場合、以前のように
「全ストレージに機能追加してから公開」
にすると、時間がかかかります。
そこで、
「1つのストレージに機能追加して公開」
「次のストレージに機能追加して公開」
といった具合に、開発を少しづつでも進める様にしました。
すると少しづつですが開発できるようになりました。
7. 今後の夢
PWEditorを開発するきっかけは
「いつでも、どこでもコードを見たい、書きたい」
でした。
そのため当初はアプリの機能として
- 各種クラウドストレージのファイルを直接編集する。
- コードが見やすいように、シンタックスハイライト表示する。
を考えていました。
しばらく開発を続け、
- ローカル
- iCloud
- Dropbox
- GoogleDrive
- OneDrive
のストレージに対応しました。
そしてシンタックスハイライト表示も実装しました。
その後は、ユーザからの要望であったり、自分で考えた機能だったりを機能追加していきました。
PWEditorはエディターとして開発を始めましたが、
今では
- エディター機能
- ファイラー機能
がメインのアプリになっています。
そこで今後の夢ですが、
- エディターとして必要な機能をすべて実装したい
- ファイラーとして必要な機能をすべて実装したい
と思っています。
まだまだ足りない機能がたくさんあります。
またユーザからの要望の機能もたくさんあります。
これらを少しずつでも実装していけたらと思っています。
開発が遅かったり、不具合があったりしますが、長い目でみて使ってもらえればうれしいです。
今後ともPWEditorをよろしくお願いします。
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紹介している一部の記事のコードはGitlabで公開しています。
興味のある方は覗いてみてください。
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