この記事は2018年10月01日に投稿しました。
目次
本気ではじめるiPhoneアプリ作り Xcode 9.x+Swift 4.x対応 (「ヤフー黒帯」シリーズ)
- 作者: 西磨翁
- 出版社/メーカー: SBクリエイティブ
- 発売日: 2017/12/14
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログを見る
1. はじめに
こんにちは、iOSのエディタアプリPWEditorの開発者の二俣です。
今回はSwiftのFTPでファイルを削除してみます。
PWEditorでは、SwiftでFTPを操作するため、
- BlackRaccoonライブラリ
を使用しています。
2. 前提
下記の記事を参考にBlackRaccoonライブラリを使用できる状態にしておいてください。
3. ファイル削除処理
SwiftのFTPでファイルを削除するには、BlackRaccoonライブラリのFTPデリート(BRRequestDelete)オブジェクトを使用します。
このオブジェクトで、ディレクトリも削除できます。
ディレクトリを削除した場合、その配下のディレクトリやファイルも一緒に削除されます。
以下に手順を示します。
- FTPファイルを削除するViewControllerにBRReqeuestDelegateを設定します。
- FTPファイル削除行うFTPデリート(BRRequestDelete)オブジェクトをインスタンス変数で用意します。
FTPデリート(BRRequestDelete)オブジェクトを生成し、FTPで接続するパラメータ(ホスト名、ユーザ名、パスワード、パス名)を設定します。
- ホスト名は、IPアドレス形式またはURL形式で指定可能です。
- ホスト名、ユーザ名、パスワードに使用できる文字は1バイト文字のみです。 2バイト文字の場合、クラッシュします。
- パス名に、削除するファイルパス名またはディレクトリパス名を指定します。
FTPデリート(BRRequestDelete)オブジェクトのstartメソッドを実行し、ファイル削除を開始します。
ファイルデータ取得の結果は、以下のメソッドでコールバックされます。
- 正常な場合はrequestCompletedメソッド
- エラーの場合はrequestFaildメソッド
- ファイルの更新許可を判定する場合はshouldOverwriteFileWithRequestメソッド
requestDataAvailableメソッド以外のコールバックメソッドはドキュメントをみるとわかるように、他のファイル操作を行った場合も呼び出されます。
そのため引数requestがFTPデリート(BRRequestDelete)オブジェクトと等しいかチェックして、FTPデリートの結果としてコールバックメソッドが呼び出されたか判断しています。shouldOverwriteFileWithRequestメソッドは、おそらくFTPアップロードの時にだけ必要なメソッドで、既存のファイルを上書きしてよいかどうかを返却します。
そのためFTPアップロードの時はtrue、それ以外はfalseを返却するようにしています。最後に2重起動防止のため、FTPデリート(BRRequestDelete)オブジェクトをクリアします。
実装例
class FtpFileDeleteViewController: UIViewController, BRRequestDelegate { // 2. FTPデリートオブジェクト var ftpDelete: BRRequestDelete! /** FTPでファイル削除を開始します。 */ func startDeleteFile(_ pathName: String) { if ftpDelete != nil { // FTPデリートオブジェクトが有効な場合、2重起動防止のため処理を終了します。 return } // 3. FTPデリートオブジェクトを生成し、FTPで接続するパラメータを設定します。 ftpDelete = BRRequestDelete(delegate: self) ftpDelete.hostname = <ホスト名> ftpDelete.username = <ユーザ名> ftpDelete.password = <パスワード> ftpDelete.path = pathName // 4. ファイル削除を開始します。 ftpDelete.start() } /** 5. FTPのリクエストが完了した時に呼び出されます。 - Parameter request: FTPリクエスト */ func requestCompleted(_ request: BRRequest) { if let request == ftpDelete { // FTPリクエストがFTPデリートオブジェクトと等しい場合 // 正常終了の場合の処理を記述してください。 // 6. 2重起動防止のため、FTPデリートオブジェクトをクリアします。 ftpDelete = nil } } /** 5. FTPリクエストがエラーした時に呼び出されます。 - Parameter request: FTPリクエスト */ func requestFailed(_ request: BRRequest) { if let request == ftpDelete { // FTPリクエストがFTPデリートオブジェクトと等しい場合 // エラー終了の場合の処理を記述してください。 // 6. 2重起動防止のため、FTPデリートオブジェクトをクリアします。 ftpDelete = nil } } /** 5. 上書きリクエスト時に呼び出されます。 - Parameter request: FTPリクエスト */ func shouldOverwriteFileWithRequest(_ request: BRRequest) -> Bool { // 上書きを禁止します。 return false } }
4. おわりに
BlackRaccoonライブラリでコピーと移動はサポートされていないため、今回でFTPのファイル操作の紹介は終わります。
たった2日でマスターできる iOSアプリ開発集中講座 Xcode 9/Swift 4対応
- 作者: 藤治仁,小林加奈子,小林由憲
- 出版社/メーカー: ソシム
- 発売日: 2017/11/30
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログを見る
紹介している一部の記事のコードはGitlabで公開しています。
興味のある方は覗いてみてください。
私が勤務しているニューラルでは、主に組み込み系ソフトの開発を行っております。
弊社製品のハイブリッドOS Bi-OSは高い技術力を評価されており、特に制御系や通信系を得意としています。
私自身はiOSモバイルアプリやウィンドウズアプリを得意としております。
ソフトウェア開発に関して相談などございましたら、お気軽にご連絡ください。
また一緒に働きたい技術者の方も随時募集中です。
興味がありましたらご連絡ください。
EMAIL : info-nr@newral.co.jp / m-futamata@newral.co.jp
TEL : 042-523-3663
FAX : 042-540-1688