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Win32 APIでスレッドを使用する

この記事は2020年04月19日に投稿しました。

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目次

  1. はじめに
  2. Win32 APIでスレッドを使用する
  3. おわりに

1. はじめに

こんにちは、iOSのエディタアプリPWEditorの開発者の二俣です。
今回はWin32 APIでスレッドを使用する方法についてです。

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2. Win32 APIでスレッドを使用する

Win32 APIでスレッドを使用するには、CreateThread関数を使用します。
スレッドとして動作する関数は、ThredProc関数のような引数、戻り値の関数とします。
スレッドとして動作する関数の関数名は任意で構いません。

CreateThread関数

書式
HANDLE CreateThread(
  LPSECURITY_ATTRIBUTES   lpThreadAttributes,
  SIZE_T                  dwStackSize,
  LPTHREAD_START_ROUTINE  lpStartAddress,
  __drv_aliasesMem LPVOID lpParameter,
  DWORD                   dwCreationFlags,
  LPDWORD                 lpThreadId
);
引数

lpThreadAttributes
返されたハンドルを子プロセスが継承できるかどうかを決定するSECURITY_ATTRIBUTES構造体へのポインター。
NULLの場合、ハンドルを継承することはできません。

dwStackSize
スタックの初期サイズ(バイト単位)
この値は最も近いページに丸められます。
このパラメーターがゼロの場合、新しいスレッドは実行可能ファイルのデフォルトサイズを使用します。

lpStartAddress
スレッドによって実行される関数へのポインター。
スレッドによって実行される関数は、以下のThreadProc関数で定義される書式である必要があります。
(関数名は任意です)

lpPrameter
スレッドに渡される変数へのポインター

dwCreationFlags
スレッドの作成を制御するフラグ

定数 内容
- 0 スレッドは作成直後に実行されます。
CREATE_SUSPENDED 0x00000004 スレッドは中断状態で作成され、ResumeThread関数が呼び出されるまで実行されません 。
STACK_SIZE_PARAM_IS_A_RESERVATION 0x00010000 dwStackSizeのパラメータは、スタックの最初の予約サイズを指定します。
このフラグが指定されていない場合、dwStackSizeはコミットサイズを指定します。

lpThreadId
スレッド識別子を受け取る変数へのポインター。
このパラメーターが NULLの場合、スレッドIDは返されません。

戻り値

関数が成功した場合、新しいスレッドへのハンドル
関数が失敗した場合、NULL
拡張エラー情報を取得するには、GetLastError関数を呼び出します 。

ThreadProc関数

※関数名は任意です。

書式
DWORD WINAPI ThreadProc(
  _In_ LPVOID lpParameter
);
引数

lpParameter
CreateThread関数のlpParameterパラメーターで渡される変数へのポインタ

戻り値

関数の成功またはエラーを示す値

実装例

#include <iostream>
#include <Windows.h>
#include <random>

// スレッドとして実行される関数
DWORD WINAPI ThreadFunc(LPVOID pParam)
{
    std::random_device rnd;
    for (int i = 0; i < 100; ++i)
    {
        std::cout << std::hex << rnd() << std::endl;
    }
    return 0;
}

int main()
{
    // スレッドを生成し、開始します。
    std::cout << "スレッドを開始します。" << std::endl;
    HANDLE hThread = CreateThread(
        NULL,
        0,
        ThreadFunc,
        NULL,
        0,
        NULL
    );

    // スレッドの終了を待ちます。
    WaitForSingleObject(hThread, INFINITE);
    std::cout << "スレッドが終了しました。" << std::endl;

    // スレッドハンドルを閉じます。
    CloseHandle(hThread);

    getchar();
    return 0;
}

API Reference

CreateThread関数

ThreadProc関数

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3. おわりに

久しぶりにWin32でスレッド処理したので、その方法を紹介してみました。

紹介している一部の記事のコードはGitlabで公開しています。
興味のある方は覗いてみてください。

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