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MFCでユーザ定義のメッセージを処理する。

この記事は2019年03月06日に投稿しました。

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目次

  1. はじめに
  2. MFCでユーザ定義のメッセージを処理する
  3. おわりに

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1. はじめに

こんにちは、iOSのエディタアプリPWEditorの開発者の二俣です。
今回は業務で使用しているMFCでユーザ定義のメッセージを処理する方法についてです。

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2. MFCでユーザ定義のメッセージを処理する

MFCでユーザ定義のメッセージを処理する方法ですが、

1.ユーザ定義のメッセージを処理する関数は、ヘッダファイルに以下のように定義します。
定義する場所はDECLARE_MESSAGE_MAP()マクロ以降に定義し、publicアクセスとします。

afx_msg LRESULT <関数名>(WPARAM wParam, LPARAM lParam);

2.ユーザのメッセージ用のIDを定義します。
IDはユーザのアプリケーションが使用してよい範囲WM_APP(0x8000)0xBFFFで定義します。
3.ユーザ定義のメッセージを処理する関数とユーザのメッセージ用のIDを以下のようにして関連付けます。

BEGIN_MESSAGE_MAP(<クラス名>, CDialogEx)  
    ON_MESSAGE(<ユーザのメッセージ用のID>, &<クラス名>::<ユーザ定義のメッセージを処理する関数名>)  
END_MESSAGE_MAP()

4.ユーザ定義のメッセージを処理する関数を実装します。 5.ユーザ定義のメッセージを送信します。

実装例

SampleDlg.h

class CSampleDlg : public CDialogEx
{
    ...
    DECLARE_MESSAGE_MAP()
public:
    afx_msg void OnClickedButton1();
    // 1. ユーザ定義のメッセージを処理する関数を定義します。
    //    関数名は任意です。
    afx_msg LRESULT OnTest(WPARAM wParam, LPARAM lParam);
    ...
}

SampleDlg.cpp

// 2. ユーザのメッセージ用のIDを定義します。
//    IDはユーザのアプリケーションが使用していよい範囲WM_APP(0x8000)~0xBFFFFで定義します。
#define WM_MSG_TEST     (WM_APP + 1)

BEGIN_MESSAGE_MAP(CSampleDlg, CDialogEx)
    ON_BN_CLICKED(IDC_BUTTON1, &CSampleDlg::OnClickedButton1)
    // 3. ユーザ定義のメッセージを処理する関数とユーザのメッセージ用のIDを関連付けます。
    ON_MESSAGE(WM_MSG_TEST, &CSampleDlg::OnTest)
END_MESSAGE_MAP()

void CSampleDlg::OnClickedButton1()
{
    // 5. ユーザ定義のメッセージを送信します。
    PostMessage(WM_MSG_TEST);
}

// 4. ユーザ定義のメッセージを処理する関数を実装します。
LRESULT CSampleDlg::OnTest(WPARAM wParam, LPARAM lParam)
{
    AfxMessageBox(_T("ユーザ定義メッセージのテスト"));
    return 0;
}

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3. おわりに

EXEモジュールからDLLの関数を呼び出す際、EXEモジュール側にDLLを意識させないようにする必要がありました。
そのため今回のユーザ定義のメッセージを使用して、DLL側の関数を呼び出すことにしました。

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