この記事は2019年02月01日に投稿しました。
目次
[改訂新版]Swift実践入門 ── 直感的な文法と安全性を兼ね備えた言語 (WEB+DB PRESS plus)
- 作者: 石川洋資,西山勇世
- 出版社/メーカー: 技術評論社
- 発売日: 2018/01/17
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- この商品を含むブログを見る
1. はじめに
こんにちは、iOSのエディタアプリPWEditorの開発者の二俣です。
PWEditorで使用しているSwiftのUITextViewでキャレットを1行上に移動する方法についてです。
2. SwiftのUITextViewでキャレットを1行上に移動する
SwiftのUITextViewでキャレットを1行上に移動する方法ですが、以下のような手順になります。
- キャレットの現在位置を取得します。
- 文の全行をチェックし、キャレットがどの行にあるか求めます。
- 対象の行での位置を求めます。
- 対象行での位置と前行の長さによりオフセット位置を求めます。 対象行での位置が前行の長さより短い場合、前行で対象行での位置と同じ位置をオフセットとします。 対象行での位置が前行の長さより長い場合、前行の行末位置をオフセットとします。
- 最終行が改行の場合、最終行の1行下にキャレットがいる場合があります。 その場合に1行上に移動します。
- キャレットをオフセット分移動します。
キャレットの現在位置の取得は
で紹介したメソッドを使用します。
実装例
import UIKit ... var textView: UITextView! ... guard let range = textView.selectedTextRange else { // 範囲が取得できない場合、終了します。 // 念のためのチェック return } guard let text = targetView.text else { // テキストが取得できない場合、終了します。 // 念のためのチェック return } // テキストの全文字数を取得します。 // characters.countは現在deprecateのためそのうち修正します。 let textCount = text.characters.count // 1. キャレットの現在位置を取得します。 let current = getCurrent(targetView, range: range) // 2. キャレットがどの行にあるかチェックします。 // enumerateLinesメソッドで取得される文字列に改行文字は含まれません。 // 全行をチェックし、各行の行頭の位置と行末の位置を求め、 // キャレットの現在位置がその範囲にあれば、その行を対象行としています。 var first = true // 先頭行のみ処理するフラグ var trail = 0 // 行末位置 var preLead = 0 // 全行の行頭位置 var preTrail = 0 // 全行の行末位置 var position: UITextPosition? text.enumerateLines() { (line, stop) -> Void in let lead: Int // 行頭位置 if first { // 先頭行の場合 // 行頭位置を0に設定します。 lead = 0 first = false } else { // 行頭位置を前行の行末位置+改行文字分に設定します。 lead = trail + 1 } // 行の文字数を取得します。 // characters.countは現在deprecateのためそのうち修正します。 let count = line.characters.count // 行末位置を更新します。 trail = lead + count // 前行の長さを取得します。 let preLineLen = preTrail - preLead if lead <= current && current <= trail { // 3. キャレットがある行の場合 // 対象行での位置を求めます。 let linePos = current - lead // 4. 前行が対象行より長いか短いかでオフセットを求めます。 let offset: Int if linePos <= preLineLen { // 対象行での位置より前行が長い場合 // 前行の同じ位置+改行文字分をオフセットとします。 offset = preLineLen + 1 } else { // 対象行での位置より前行が短い場合 // 前行の行末位置+改行文字分をオフセットとします。 offset = linePos + 1 } let start = range.start position = targetView.position(from: start, offset: -offset) stop = true } // 前行の行頭と行末の位置を保存する。 preLead = lead preTrail = trail // 5. 最終行が改行の場合、最終行の1行下にキャレットがいる場合があります。 // その場合に1行上に移動します。 if textCount == preTrail + 1 { if current == textCount { let offset = preTrail - preLead + 1 let start = range.start position = targetView.position(from: start, offset: -offset) stop = true } } // 6. キャレットをオフセット分移動します。 guard let pos = position else { return } targetView.selectedTextRange = targetView.textRange(from: pos, to: pos) }
3. おわりに
キャレットを1行上に移動する方法ですが、前行の長さを考慮しなくては目的の位置に移動できません。
この部分の処理を考えるのが一番難しかった記憶があります。
詳細!Swift 4 iPhoneアプリ開発 入門ノート Swift 4+Xcode 9対応
- 作者: 大重美幸
- 出版社/メーカー: ソーテック社
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログを見る
紹介している一部の記事のコードはGitlabで公開しています。
興味のある方は覗いてみてください。
私が勤務しているニューラルでは、主に組み込み系ソフトの開発を行っております。
弊社製品のハイブリッドOS Bi-OSは高い技術力を評価されており、特に制御系や通信系を得意としています。
私自身はiOSモバイルアプリやウィンドウズアプリを得意としております。
ソフトウェア開発に関して相談などございましたら、お気軽にご連絡ください。
また一緒に働きたい技術者の方も随時募集中です。
興味がありましたらご連絡ください。
EMAIL : info-nr@newral.co.jp / m-futamata@newral.co.jp
TEL : 042-523-3663
FAX : 042-540-1688