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C++/CLIでDLLのメソッドを呼び出す。

この記事は2018年08月03日に投稿しました。

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目次

  1. はじめに
  2. DLLのラッパークラス
  3. おわりに

1. はじめに

こんにちは、iOSのエディタアプリPWEditorの開発者の二俣です。

今回は業務で使用しているC++/CLIの話です。
過去の資産がDLLで提供されているシステムがありました。
そのDLLをC++/CLIで利用するためラッパークラスを作成して対応したので、その手順をまとめました。

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2. DLLのラッパークラス

ラッパークラスはユーティリティクラス扱いのため、シングルントンで作成しました。
以下がDLLの関数のラッパーメソッドを用意する手順です。

  1. DLLの関数と同じ戻り値、引数の関数ポインタを定義します。
  2. 1で定義した関数ポインタの変数を用意します。
  3. LoadLibraryメソッドでDLLモジュールをロードし、そのハンドルを取得します。
    LoadLibraryメソッドの引数には、DLLのファイル名を指定してください。
  4. DLLのハンドルのGetProcAddressメソッドを利用して、DLLの関数のアドレスを取得し、関数ポインタの変数に設定します。
  5. 関数ポインタを呼び出すラッパーメソッドを用意します。

他のクラスからは、このラッパーメソッドを呼び出すようにします。

SampleDLL.h

namespace Sample
{
    ref class SampleDLL
    {
    private:
        // 自分自身のインスタンス
        SampleDLL^ instance;

        // DLLモジュールのハンドル
        HMODULE hDll;

        // コンストラクタ
        SampleDLL();

        // 1.関数ポインタを定義します。
        typedef void(__stdcall *Func1)(void);
        typedef int(__stdcasll *Func2)(String^ str);

        // 2.関数ポインタの変数を用意します。
        Func1 pFunc1;
        Func2 pFunc2;

    public:
        // インスタンスを返却します。
        static SampleDLL^ GetInstance();

        // DLLの関数1のラッパーメソッド
        void func1();

        // DLLの関数2のラッパーメソッド
        int func2(String^ str);
    };
};
SampleDLL.cpp

namespace Sample
{
    // コンストラクタ
    SampleDLL::SampleDLL()
    {
        // 3.DLLモジュールのハンドルを取得します。
        hDll = LoadLibrary("DLL名");
        if (hDll == nullptr)
        {
            // 取得できない場合、終了します。
            return;
        }

        // 4.DLLの関数のアドレスを取得します。
        // GetProcAddressの第2引数には、DLLの関数名を指定します。
        pFunc1 = (FUNC1)GetProcAddress(hModule, "func1");
        pFunc2 = (FUNC2)GetProcAddress(hModule, "func2");
    }

    // インスタンスを返却する。
    SampleDLL^ SampleDLL::GetInstance()
    {
        if (instance == nullptr)
        {
            instance = gcnew SampleDLL();
        }
        return instance;
    }

    // 5.ラッパーメソッド
    // DLLの関数1のラッパーメソッド
    void SampleDLL::func1(void)
    {
        pFunc1();
    }

    // DLLの関数2のラッパーメソッド
    int SmapleDLL::func2(String^ str)
    {
        int result = pFunc2(str);
        return result;
    }
};

API Reference
LoadLibraryメソッド
GetProcAddressメソッド

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3. おわりに

手順自体は、同僚に教わりました。
今後も過去の資産のDLLを流用することがあれば、同様の手法で対応できると思います。

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紹介している一部の記事のコードはGitlabで公開しています。
興味のある方は覗いてみてください。

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