この記事は 2026 年 8 月 30 日に投稿しました。

目次
1. はじめに
こんにちは、iOS のエディタアプリPWEditorとその後継PWEditorNextの開発者の二俣です。
2018年5月から毎日技術ブログを更新しています。
今回はDartのHashSetから、指定した値と同値の要素を取得できるlookupメソッドについてです。
2. DartのHashSetから同値の要素を取得する
DartのHashSetはSetを実装しているため、lookupメソッドを使用できます。
lookupメソッドの形式は以下になります。
E? lookup(Object? object)
引数に指定したオブジェクトと同値の要素がHashSetに存在する場合、そのHashSetに格納されている要素を返します。
存在しない場合はnullを返します。
import 'dart:collection'; void main() { final numbers = HashSet<int>.from([1, 2, 3]); final result = numbers.lookup(2); print(result); // 2 }
containsメソッドが要素の存在確認に使用するのに対し、lookupメソッドは一致した要素そのものを取得するために使用します。
一致する要素がない場合はnullになります。
final numbers = HashSet<int>.from([1, 2, 3]); final result = numbers.lookup(10); print(result); // null
3. lookupメソッドの基本的な使い方
文字列を格納したHashSetから、指定した文字列と同値の要素を取得できます。
import 'dart:collection'; void main() { final words = HashSet<String>.from([ 'Dart', 'Swift', 'C#', ]); final result = words.lookup('Swift'); print(result); // Swift }
戻り値の型はHashSetの要素型の nullable 型です。
そのため、結果を利用する前にnullかどうかを確認できます。
final words = HashSet<String>.from(['Dart', 'Swift']); final result = words.lookup('Kotlin'); if (result != null) { print('見つかった要素: $result'); } else { print('要素は見つかりませんでした'); }
4. 同値な要素と同一のオブジェクトの違い
lookupメソッドは、指定したオブジェクトそのものを返すとは限りません。
==演算子とhashCodeによって同値と判定された、HashSet内に格納されている要素を返します。
独自クラスでlookupを使用する場合は、==とhashCodeを適切にオーバーライドする必要があります。
import 'dart:collection'; class User { final int id; final String name; User(this.id, this.name); @override bool operator ==(Object other) => other is User && other.id == id; @override int get hashCode => id.hashCode; } void main() { final users = HashSet<User>()..add(User(1, '太郎')); final result = users.lookup(User(1, '別の名前')); print(result?.name); // 太郎 }
この例では、idが同じユーザーを同値として扱っているため、HashSetに格納済みのUserを取得できます。
5. lookupメソッドを使用する場合の注意点
一致しない場合はnullが返る
lookupメソッドは、一致する要素がない場合にnullを返します。
戻り値をnull非許容型の変数へ代入する場合は、存在を確認するか、??で初期値を指定してください。
final numbers = HashSet<int>.from([1, 2, 3]); final result = numbers.lookup(10) ?? 0; print(result); // 0
containsとの使い分け
存在するかどうかだけを確認する場合はcontains、HashSetに格納されている一致要素を取得したい場合はlookupを使用します。
HashSetの要素の順序は関係しない
lookupは要素の順序や位置ではなく、等価性によって要素を検索します。
HashSetは要素の順序を保証しないため、順番を指定して取得する用途には適していません。
検索によってHashSetは変更されない
lookupメソッドは検索結果を返すだけで、HashSetへの要素の追加や削除は行いません。
リファレンス
6. おわりに
DartのHashSetから、指定した値と同値の要素を取得するには、lookupメソッドを使用します。
final result = numbers.lookup(2);
一致する要素が存在する場合はHashSetに格納されている要素が返され、存在しない場合はnullが返されます。
存在確認だけならcontains、一致した要素を取得したい場合はlookupというように使い分けると便利です。
独自クラスで使用する場合は、==とhashCodeを正しく実装して、同値性を定義してください。
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