この記事は 2021 年 08 月 19 日に投稿しました。
目次
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1. はじめに
こんにちは、iOS のエディタアプリPWEditorの開発者の二俣です。
今回は業務で使用している C++/CLI のボタンでタッチ対応する方法についてです。
2. C++/CLI のボタンでタッチ対応する
C++/CLI のボタンでタッチ対応するには、以下の様な実装にします。
実装例
TouchButton.h
#pragma once #include <Windows.h> namespace TouchButton { using namespace System; using namespace System::Windows::Forms; using namespace System::Diagnostics; using namespace System::Drawing; public ref class TouchButton : Button { public: Action^ touchDownCallback; Action^ touchUpCallback; public: // コンストラクタ TouchButton() { // ボタンをタッチ対応として登録します。 RegisterTouchWindow(reinterpret_cast<HWND>(this->Handle.ToPointer()), 0); } // デストラクタ ~TouchButton() { // ボタンのタッチ対応の登録を解除します。 UnregisterTouchWindow(reinterpret_cast<HWND>(this->Handle.ToPointer())); } // ボタンのウィンドウプロシージャをオーバーライドします。 virtual void WndProc(Message% m) override { // メッセージにより処理を振り分けます。 switch (m.Msg) { case WM_TOUCH: { // タッチメッセージの場合 // タッチ情報を取得します。 UINT cInputs = LOWORD((int)m.WParam); PTOUCHINPUT pInputs = new TOUCHINPUT[cInputs]; HTOUCHINPUT hTouchInput = (HTOUCHINPUT)(int)m.LParam; int cbSize = sizeof(TOUCHINPUT); GetTouchInputInfo(hTouchInput, cInputs, pInputs, cbSize); // タッチ動作を示すフラグを取得します。 DWORD dwFlags = pInputs->dwFlags; // タッチされた場合 if (dwFlags & TOUCHEVENTF_DOWN) { // コールバックが設定されている場合 if (touchDownCallback != nullptr) { // コールバックを呼び出します。 touchDownCallback(); } } // 離された場合 else if (dwFlags & TOUCHEVENTF_UP) { // コールバックが設定されている場合 if (touchUpCallback != nullptr) { // コールバックを呼び出します。 touchUpCallback(); } } delete pInputs; break; } default: // その他のイベントの場合、何もしません。 break; } // デフォルトのウィンドウプロシージャを呼び出します。 Button::WndProc(m); } }; }
MainForm.h
#pragma once #include "TouchButton.h" namespace TouchButton { using namespace System; using namespace System::ComponentModel; using namespace System::Collections; using namespace System::Windows::Forms; using namespace System::Data; using namespace System::Drawing; /// <summary> /// MainForm の概要 /// </summary> public ref class MainForm : public System::Windows::Forms::Form { // コンストラクタ、初期化処理等は書略 private: TouchButton^ button; private: // フォームがロードされた時に呼び出されます。 System::Void MainForm_Load(System::Object^ sender, System::EventArgs^ e) { // タッチ対応のボタンを生成します。 // ボタンをコードで生成するのでデザインしづらいため、パネルでデザインしパネルにボタンを貼り付けます。 button = gcnew TouchButton(); button->Text = "タッチボタン"; button->Size = panel->Size; // ボタンがタッチされた時のコールバックを登録します。 button->touchDownCallback = gcnew Action(this, &MainForm::Button_TouchDown); // ボタンのタッチから離された時のコールバックを登録します。 button->touchUpCallback = gcnew Action(this, &MainForm::Button_TouchUp); // フォームに配置したパネルにボタンを追加します。 panel->Controls->Add(button); } private: // ボタンがタッチされた時に呼び出されるコールバック void MainForm::Button_TouchDown() { // ボタンの背景色を赤に設定します。 button->BackColor = Color::Red; } // ボタンのタッチが離された時に呼び出されるコールバック void MainForm::Button_TouchUp() { // ボタンの背景色を元に戻します。 button->BackColor = SystemColors::Control; } }; }
Reference
TOUCHINPUT構造体
3. おわりに
タッチパネルのPCでボタンの長押しに対応する必要があり、その方法調べました。
通常のボタンクリックイベントはタッチした時はイベントが発生せず、離れるときにイベントが発生するため使えませんでした。
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紹介している一部の記事のコードはGitlabで公開しています。
興味のある方は覗いてみてください。
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