この記事は2018年07月17日に投稿しました。
この記事は2018年07月21日に更新しました。
目次
本気ではじめるiPhoneアプリ作り Xcode 9.x+Swift 4.x対応 (「ヤフー黒帯」シリーズ)
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1. はじめに
こんにちは、iOSのエディタアプリPWEditorの開発者の二俣です。
今回はiCloudDocumentSyncライブラリを使って、iCloudでファイルを移動してみます。
2. ファイル移動処理
iCloudDocumentSyncライブラリのドキュメントを見ると、ファイルを移動するメソッドはなさそうでした。
そのため、ディレクトリまたはファイルをコピーして、元のディレクトリまたはファイルを削除することにしました。
ファイルを削除するdeleteDocumentメソッドは、次回説明予定です。
ディレクトリまたはファイルを移動するには、以下のような手順になります。
- 引数fromPathに移動元パス名、toPathに移動先パス名を指定して、duplicateOriginalDocumentメソッドを実行します。 実際はコピー処理なので、移動元パス名のディレクトリまたはファイルはそのまま存在します。
- duplicateOriginalDocumentメソッドの実行結果のクロージャの中で、引数withNameに移動元パス名を指定してdeleteDocumentメソッドを実行し、移動元ディレクトリまたはファイルを削除します。
ポイントはコピー処理が終わってから削除の処理を行うのではなく、コピー処理のクロージャの中で削除処理を行うことにしています。
これによりユーザからは一連の処理として見えるようになります。
ただしこの方法には、ひとつ問題点があります。
削除処理でエラーになった場合、コピーしたディレクトリまたはファイルが残ってしまいます。
つまりただのコピー処理になってしまうという点です。
削除処理でエラーになった場合は、コピーしたディレクトリまたはファイルを削除すれば、なかったことにできます。
しかしもともと削除処理でエラーになったため、コピーしたディレクトリまたはファイルを削除する際もエラーになる可能性があります。
そのためコピーしたディレクトリまたはファイルはそのままにすることにしました。
import iCloudDocumentSync /** iCloudでディレクトリまたはファイルを移動します。 直接移動できないため、コピーして、元ディレクトリまたはファイルを削除します。 - Parameter fromPath: 移動元パス名 - Parameter toPath: 移動先パス名 */ func moveFile(_ fromPath: String, toPath: String) { // iCloudオブジェクトを取得します。 guard let cloud = iCloud.shared() else { // iCloudが取得できない場合、処理を終了します。 // 念のためのチェックです。 // 必要に応じてエラー処理を行ってください。 return } // ディレクトリまたはファイルをコピーします。 cloud.duplicateOriginalDocument(fromPath, withNewName: toPath, completion: { (error: Error?) -> Void in if let error = error { // エラーの場合、処理を終了します。 // 必要に応じてエラー処理を行ってください。 return } // 元ディレクトリまたはファイルを削除します。 cloud.deleteDocument(withName: fromPath, completion: { (error: Error?) -> Void in if let error = error { // エラーの場合、処理を終了します。 return } }) // 正常終了の場合の処理を記述してください。 }) }
3. おわりに
iCloudDocumentSyncライブラリは、リネームメソッドもあり、ファイル操作のメソッドは一通りそろっていると思ったのですが、移動用のメソッドが見当たりませんでした。
コピーして削除すればよいと考え、用意しなかったのかもしれません。
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