Swiftでアプリの再インストールを検出する。

この記事は2018年07月08日に投稿しました。

目次

1. はじめに
2. アプリの再インストールの検出方法
3. おわりに

[改訂新版]Swiftポケットリファレンス (POCKET REFERENCE)

1. はじめに

PWEditorで設定値の保存/取得は、Keychainを利用して行なっています。
Keychainはセキュアで便利ですが、アプリを削除してもKeychainに設定した値は削除されません。
このことが問題になるケースが発生しました。
PWEditorでアプリロックのパスワードをKeychainに保存していますが、パスワードを忘れてしまった場合、アプリを再インストールしても復帰できません。
そのためアプリの再インストール時にアプリロックパスワードをクリアする方法を調べました。

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2. アプリの再インストールの検出方法

Keychainだけではアプリの再インストールの検出ができないため、NSUserDefaultsを利用します。
NSUserDefaultsもKeychain同様、設定値の保存/取得が行なえます。
Keychainとの違いは、NSUserDefaultsはアプリの削除で設定値も削除されます。
そのためこの性質を利用して、アプリの再インストールを検出します。

以下がアプリの再インストールを検出する手順です。
前提としてKeychain、NSUserDefaultsで検出判定用のキーを決め、設定値をYES/NOとします。

1. Keychain、NSUserDefaultsから検出判定用キーの値を読み込みます。この仕組みを導入直後は値は設定されていないため、この場合は設定値はNOとします。
2. Keychain、NSUserDefaultsの検出判定用キーの値にYESを設定します。

この手順を行うと、以下の操作によってKeychain、NSUserDefaultsの値は以下のように変化します。

No	操作	Keychain	NSUserDefaults
1	インストール後の初回起動	NO	NO
2	インストール後に2回以上起動	YES	YES
3	再インストール後の初回起動	YES	NO
4	再インストール後に2回以上起動	YES	YES
5	再々インストール後の初回起動	YES	NO
6	再々インストール後に2回以上起動	YES	YES
7	この仕組みを導入後、アプリのアップデート後の起動	NO	NO

この表をみると、No.3、5のアプリの再インストール、再々インストールで、KeychainとNSUserDefaultsに差異があることがわかります。
この差異を利用してアプリの再インストールを検出します。

注意点としては、No4、6の再インストール後、または再々インストール後に2回以上起動すると、Keychain、NSUserDefaultsに差異がなくなります。
そのため2回以上起動した状態では、アプリの再インストールは検出できなくなります。

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3. おわりに

PWEditorでアプリロック機能を実装して公開した時、アプリロックパスワードを忘れた場合にアプリロック機能をクリアできない状態でした。
一応設定画面に注意書きをしたのですが、アプリロックパスワードを忘れたユーザから、クリアする方法について問い合わせがきてしまいました。
そのためアプリの再インストールでアプリロック機能をクリアするように修正しました。

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